林長左衛門と旧ヨイチ運上家

2015年05月20日

 

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 初代長佐衛門は明和2年(1765)秋田に生まれ、文化元年(1804)39才で渡道。文政3年、余市郡の場所請負を命ぜられ、蝦夷地を単なる交易の場から生産の場へと変革する。

 長左衛門を襲名する歴代の林家は、多額の私財を投じて陸路を開設。大川町~ふごっぺ間の開削(天保10年)を行い、安政年間には岩内までの約50㎞(稲穂峠)、及び、余市~古平間の難路に新道を開設したのである。

 余市町開発の先駆者として、歴代の長左衛門の功績は町史に輝く。

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 「運上家」は16世紀末、松前藩が蝦夷地入封後道内各地に85カ所程度設けた交易上の施設である。その地方に於ける祭り事を司る他、産業、民生、文化の振興の役割も果たした。

 現存する旧ヨイチ運上家は嘉永6年(1853)場所請負人の竹屋・林長左衛門によって建設された。

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 切妻造平入りで、正面22間(約40m)、奥行き85間(約15m)、建設面積約540㎡に及び、機能的に大きく二分されるのが特徴である。上手の奥座敷部屋は主に役人や勤番下役の勤務場所であり、役人の止宿所に使用。下手には大きな切り炉を中心とした上・下台所と勝手、隣接する酒部屋などを配置する。

 旧ヨイチ運上屋は国内に残された唯一の運上屋として、昭和46年、国の重要文化財に指定され、同55年に往時を偲ぶ姿に復元されたものである。

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~おたる 歴史への誘い

月刊ラブ おたる 平成2年4月号~4年12月号より