手宮線保存運動
2025年08月23日
まちづくり観光② 小樽のまちづくり運動と観光再活用について
手宮線保存運動 おたるまちづくり協議会
背景
昭和50年代後期から、小樽では官民こぞって観光都市に向けた様々な整備を進めはじめていきます。平成に入り、大型商業施設マイカルの小樽進出が現実味を帯び始めた平成7年11月、小樽市は遊休地となっていた手宮戦跡地の再活用について、26の市民団体に呼びかけ「旧国鉄手宮線活用打ち合わせ会議」を開催しました。この会議は翌8年9月まで続き、「路面電車走行(輸送系)の可能性を追求・準備しながら、オープンスペース(散策路系)として整備するという結論に至りました。
小樽まちづくり協議会の誕生
「旧国鉄手宮線活用打ち合わせ会議が解散した翌10月、そこに参加していた6団体、小樽フロンティア21(代表…谷内馨一)、小樽ルネサンス21(代表…芳川雅勝)、小樽NIRA研究会(代表…藤本哲哉)、北海道開拓鉄道協議会(代表…木下修)、小樽市商店街振興組合連合青年会(代表…只木亨)おちづくり小樽塾(代表…石井伸和)によって、小樽まちづくり協議会が設立されました。この協議会の目的は「輸送系再活用」に向けた世論の盛り上げとともに、その実現に関わる様々な問題点の研究でした。そして平成9年3月から9月まで計6回のシンポジウムを開催し、平成10年3月1日に’「手宮線プラン」を発表します。
手宮線プランの視点
既にマイカル進出の工事がはじまりかけていました。小樽まちづくり協議会は、この巨艦の進出は近隣から多くの人を呼び込むだろうという予測を前提に、彼らをマイカルが立地する築港地区から中心市街地に誘導し、「観光と観光的ショッピング」をしてもらうことによって、相乗効果をあげるような戦略を練ることを6団体一致のもとに決めました。
手宮線プランの内容
①築港~手宮まで路面電車を運行することで人を誘導し、路面電車そのものにアミューズメント性をもたせること。
②手宮線は小樽の26の商店街と10の市場に隣接・近接している背骨であることから、13の停車場を設置し、各商店街までのアクセスルートに特徴的なインセンティブ(誘導策)を配置。
③既存商店街においても小粋な土産物の商品開発をしてワゴンセールで誘導し、さらに施設博物館などを設け、オリジナル商品を観光客と市民に提供。
④各商店街等で買い物をした場合、共同でマイカル内へ配達する機能をつくることによって市内の観光とショッピングを手ぶらで楽しめるようにする。
現実の困難さ
この夢のようなプランが実現していたら、商店街も活気に満ち、またマイカルも撤退せずに済んだとは思いますが、現実はそう簡単にはいかず、いずれの内容も具現化していません。
その後の展開
小樽市は手宮線沿線の所有者であったJR北海道から平成13年(中央通り~手宮)と平成18年(中央通り~手宮)にそれぞれ甲美優氏、平成13年の購入と同時に中央通りから寿司屋通りをフリースペースとして整備しています。平成10年には第1回雪あかりの路が開催され、手宮線会場は運河会場と並んでメイン会場となり今日も継続されています。その他、平成5年には小樽の写真家が集まって露展ショー組合が設立され、以後6年間にわたり手宮線という野外での写真の展覧会を開催し、平成15年から3年間、NPO法人潮騒の街おたる(代表…木下 修)が手づくりのトロッコ試乗を子供達に体験させてきました。
観光振興へのステップ
手宮線が重要な位置づけであるという認識は、小樽まちづくり協議会の運動以前にもあり、これらの運動の蓄積によって、市民共通の認識にまで盛り上がっています。2008年(平成20)年4月には小樽市がよびかけて「手宮線懇談会」が開催され、小樽観光協会においても沿線開発にむけた議論が活発に行われています。

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