旧日本郵船(株)小樽支店

2016年05月07日

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旧建築名 日本郵船(株)小樽支店

所在地  色内3丁目7-8

構造   石造2階建

建築年  明治39年(1906)10月1日竣工

設計者  佐立七次郎

施工者  山口岩吉

指定   国指定重要文化財

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 設計は工部大学校第一期卒業生の佐立七次郎(さたち しちじろう)で、同期の辰野金吾(たつの きんご)(日本銀行小樽支店)、曽禰達蔵(そね たつぞう)(さくら銀行小樽支店)が小樽で建築する以前である。創建直後の11月にポーツマス条約にもとづく日露の樺太国境画定会議が開かれた。

 昭和59年から約3年かけて修復工事が行われた。入念な「人間ドック」のごとく調査され、その「カルテ」は当所および市立小樽図書館で申し込むと閲覧できる。近付けない場所の仕上げを知るには、この資料が参考になる。

 天井に施された飾り模様がわかる見上げ図、ラジエーターや椅子の模様が描かれている実測図など。実物や写真で見るよりも、ち密で繊細な美しさがはっきりとわかる。

 壁の金唐革紙、シャンデリア、絨毯、柱頭飾り、最新式蒸気暖房、防風のピンチブロックなど随所に明治の華やかさと技術がある。外観の重厚さからは想像できない美しさが内包された建築である。

○金唐革紙~金泥で模様を付けた、薄いなめし革に似せた紙

○ピンチブロック~開口部に付ける風防用の材料

CIMG9708金唐革紙