小樽商大

2015年11月16日

CIMG0707明治年間に建てられた本館

~牧歌的な校舎 創立費の20万円は献金~

 緑町の奥、天狗山を背にし日本海を見下ろしながら雄大な自然のなかに“学問の府”としてひときわ色あざやかなたたずまいをみせている。

 この小樽商大が創立されたのは明治四十四年というから鉄筋ビルが立ち並ぶ現在の大学ビルからみるとおじいさんのような存在。

 商大は明治四十年に文部省が高等商業学校増設の必要を認め、第二十四議会に予算要求を行ない、その設置の際、小樽区は敷き地と創立費二十万円(現在の金で二億円)を献納したため設置が決定したといわれる。

 明治四十一年五月起工、同四十四年一月に一部が完成したので同五月五日を開校記念日としている。

 敷地総面積三万二千七百三十九・五平方㍍は当時小樽区にいた青木乙松、木村円吉、河原直孝の諸氏が寄付したもの。

 大正十五年から昭和五年までは第十四臨時教員養成所を併設また昭和十九年三月、文部省直轄諸官改正によって四月一日小樽経済専門学校と改称した。

 その後二十四年五月に小樽商科大学として新たに発足、現在にいたっている。

 また同校に併設されている短期大学部は二十七年三月三十一日、国立大学設置法によって定められ、夜間三年にわたり、商業経済に関する専門教育を施すため北海道・小樽市の熱烈な支援のもとに設置された。

 この建て物は小樽にはめずらしいもので非常に牧歌的であり札幌の時計台と並び全道的にも有名。

 現在同大学には短大を合わせ約千二百人の在学生がおり毎日勉学に励んでいるが、卒業生には伊藤整、小林多喜二など有名人も多く、全国にその名をとどろかせている。

~小樽の建築 北海タイムス

昭和43年7月24日~8月11日より