川又商店(明治38年)(語り継がれる街おたる より)⑳

2016年02月17日

IMG_1620IMG_1619・亀・日の出の刻まれた方立のある

 小樽観光のブームに乗って、道内外から訪れる人も年々増え続ける中相変わらず人気を集めている運河周辺やその臨港地帯から市街地に入った色内周辺は、小樽最盛期の大正時代から昭和時代の戦前まで、銀行、海運会社、商社、大商店が軒を競う一大商業地域として繁栄しました。

 色内通りには小樽の歴史的町並みを形成する石造建築物群の中にあって、ひと際魅力を秘めて残されている商店の建物があります。その中でも代表的な木骨石造店舗の一つであり小樽市指定歴史的建造物、第十五号に指定されているのが川又商店(旧早川商店)です。この建物は明治三十八年に初代川又健一郎が、茶、紙、石鹸、文房具を商う早川商店ののれん分けを受けて独立し建設しました。 (大正初期に店名を川又商店に変更)

 この建物で一番目を引くのが、防火用の袖壁に朝日、鶴、亀などの彫刻が施されているのが特徴で建物全体に繊細な配慮がうかがわれて、よく旧態をとどめている代表的商家建築の一つと言えます。後方の住宅部分は昭和四~五年に建てられたもので、木部のシャープな造形もまた美しい住宅には、社長の川又和子さんが住んでおり、現在の川又商店は事務用品、紙類、OA機器の販売を行っています。

IMG_1622~語り継がれる町おたる 小樽道新販売所会より

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『この建物を再建したのは川又健一郎氏なのです。』