3.倉庫と商店の建築―木骨石造の導入(おたる案内人より) ⑧

2016年02月05日

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 小樽には石造の倉庫や商店・蔵が多くあり、歴史的なまちなみの特徴となっています。石造りの構造は2種類に大別できます。1つは内部を木で組み外側に石を積んだもの(木骨石造)、2つは石だけで厚く積み重ねたものです。 平成4年(1992年)の小樽市全域の調査では、石造り388棟の内、木骨石造が345棟もありました。木骨石造が圧倒的に多い理由は、石の産地が近隣にあり、木造の技術を使って工期が短縮でき、経費が安く、防火構造にできたからです。 木骨石造の大規模な倉庫は小樽運河沿いに建ち並び、広海倉庫(明治22(1889)年)、右近倉庫(同27(1894年)、小樽倉庫(同23~27(1890~1894)年)、大家倉庫(同24(1891)年)などであります。また、市街地の商店では、金子元三郎商店(明治20(1887)年)岩永時計店(同29(1896)年)、早川支店(同38(1905)年)、名取高三郎商店(同39)年)などがあり、建物の正面脇に防火のための袖壁・そでかべ(うだつ)を建てるものもあります。

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