流芳後世 おたる 海陽亭 (十二)

2016年01月19日

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『1階』

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 1階ホールは当初、70畳の和室であった。

 戦前は水平社として用いられたが、戦後は米軍のクラブとして使用するため、洋風のホールに改修された。

 現在残っているのは、更にその後改修を重ねたものである。

 建築当初はこの中広間の棟には玄関がなかった。

 戦後、改修した時に作られたといわれている。

 浴室も現在のものは、数寄を凝らしたものだが、改修された跡があり、当時の面影を見いだすことが出来ない。

 便所の床と壁も改修されている。便所の天井は、中央が折り上げ天井となっており、ここから臭気を外部に逃すことのできる形となっている。この形が建築当初のままか、改修されたものかは、断定できない。

 1階部分総体に、建築当時の面影を見付けるのは難しい。

 しかし、世情の混乱を乗り越えて、今に伝わる海陽亭の変遷をうかがい知ることが出来又、便所で幽寂と焚かれている香に、道内最古の料亭として、凛然と生きてきた老舗としての海陽亭の姿を見ることができる。

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