川又商店 「北の街おたる」より⑱

2016年02月15日

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川又商店(小樽市指定歴史的建造物)

旧 早川支店

所在地 色内2丁目2番4号

建築年 明治38年

 明治29年、新潟出身の川又健一郎氏が茶、紙、文房具を商う早川商店の暖簾分けを受けて独立し、現在の場所に支店を開設。後に「川又商店」と店名を変更して今日に至っている。

 明治37年5月8日、稲穂町、色内町、合せて2410戸の大火があり、この地区一帯が焼け野原となった。その中で、石造りの店舗や倉庫が残り、それを教訓に翌年この建物が火災復帰第一号として建てられた。火災直後に建設されたため、厚い土塗りの防火戸や左隣りとの境界に設けられた袖壁など、防火に対する配慮が充分にうかがわれる。

 開口部や袖壁形式は伝統的和風意匠でまとめられ、ウダツには朝日や鶴と亀などの彫刻が施され、上手に旧態を留めており、代表的商家建築のひとつと言える。

IMG_4032平成4年(1992年)9月発行より

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『火災復帰第1号を建てたのは?』