北海道の地名 (4)小樽市内 桃内

2017年09月07日

桃内 ももない

 ツコタン、ポンツコタンの東隣。岩岬のあいだの小平地の名、川名。永田知名解は「ヌㇺオマナイ。果実沢。ヌモマナイと呼ぶは急言なり。当地李樹多きことは先輩の日誌に見えたり。今桃内村と称するはヌモマナイと呼ぶは転語なり。或は云、海岸なる桃形の岩石に名くと」と書いた。西蝦夷日誌でもヌモマナイである。num-oma-nai(果実・ある・沢)の意。

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文庫歌 ぶんがた

 今は塩谷の四丁目ぐらいの名になっているようであるが、私たちには懐かしい名。元来の塩谷とはその西側の低い丘岬で別になっていた処。永田知名解は「ブンガラ・コタン。蔓・村」と書いた。

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塩谷 しおや

 小樽市内の字名、旧村名。塩谷の起源ははっきりしない。松浦武四郎の資料もシウヤと書いたりシホヤと書いたりしている。永田知名解は「シュー・ヤ。鍋岩。サバネクㇽ(酋長)が鍋を岩に掛けたりと云ふ」と書いたが、あるいは鍋(シュー)の形の岩が岸(ヤ)にあったかもしれない。北海道駅名の起源では、諸地に多い宗谷などの地名と同じと見て「ショー・ヤ(岩・岸)」と書かれた。

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