北海道の地名 (4)小樽市内 あいかっぷ 

2017年09月06日

 

あいかっぷ

 塩谷の入江の北東角の立岩岬から次の窓岩岬のあいだの海際の断崖の処の名。永田地名解は「アイガㇷ゚ aigap。能はず。故に名く」と書いた。aikapは会話文の中では、ただ「できない」という意味でよく使われる語。ところが地名では諸方あって、どれも海か川に面した、とてつもない大崖の名。たいていの場所では、矢を放ったが届かないというような伝承があり、また狩猟や戦に行く時に崖に矢を放って弓勢を試し武運を祈った処だとも伝えられている。

IMG_5490右上の

IMG_5491ここ?

窓岩 まどいわ

 立岩岬のすぐ東の窓岩岬は、巨大な絶壁の突出であるが、その下のかいめんれレベルに大きな穴がトンネルのように抜けていて、遠くの方から見ても、向こうが白く光っていて一つの奇観である。永田地名解は「プイ・オ・シュマ。洞岩」と書いた。つまりプヨシュマ(pui-o-shuma 穴が・ある・岩)の意。

IMG_5455忍路からも見えるんだ~

IMG_5457窓岩

オタモイ

 小樽市内の字名。オタモイ地蔵の辺は小樽の観光地である。オタモイはオタ・モイ(砂浜の・入江)の意。地蔵堂の岩崖の下の入江の処が、現在小さな砂利浜になっているが、そこがこの地名でいうオタであったのだろう。

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川平 かわひら

 オタモイから海岸を東行すると山中という小部落があり、その東にチャラセナイという小さい滝が海岸にかかっている。その東が川平という地名で一般に知られていないが北海道から東北地方にかけて処々に類名があるので書いた。永田地名解は「カパラ・シララ。平磯。また暗礁とも訳す」と書いた。kapar-shirar(平べったい・岩)という意味であるが、呼ぶ時にはrがtに変わってkapatshirar(カパッシラㇽ)となり、それが川白(神恵内)、蚊柱(爾志郡)のようになる。ここは東北弁がシ、ヒを混合した関係が川平なのであった。

IMG_0461山中~『この雑草の中に鰊釜が3基あるそうです

博物館でもほしいようですが、どうやって運ぶ?』

この小部落に毎日郵便屋さんが郵便物を運んだのだそうです。

IMG_0478チャラセナイの滝~年中流れていて涸れることはないそうです

IMG_0479この辺りが川平?

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