明治に創業した佐々木銃砲火薬店

2016年05月24日

 

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 歴史ある商店街には戦前から商売を続けてきた老舗も多い。平成24年に閉店した〈佐々木銃砲火薬店〉は、明治19年創業とひときわ長い歴史を誇っていた。創業時は信香町、のちに小樽駅付近を経て花銀通りに店を構えたのは昭和20年の終戦直後。

 明治時代には炭鉱や各地の土木工事で使われるダイナマイトの扱いで業績を伸ばした。その一方で内陸の町まで陸路を旅する商人には、クマやオオカミから身を守るための銃を貸し出すことも行っていたという。終戦後の占領下には火薬を扱えない時期があったが、替わって米軍将校の銃を分解整備する仕事などを請け負った。昭和30年頃からは花火大会の仕事が増え、〈おたる潮まつり〉では昭和42年の第1回から長年にわたって打ち上げを担当する。

 5代目社長だった佐々木徹さん(昭和17年生まれ)は大学卒業後、本州の企業に勤めて鉄砲や花火を学び、昭和42年頃、小樽に戻ってきた。

「その頃の商店街は黙っててもお客がどんどん来たから、特別なことは何もしていなかった。そこで若手が中心になっていろいろイベントをやったり、歩行者天国も早い時期に始めたんだ」と振り返る。

 テレビが普及して映画人気が下火になり、市街周辺にスーパーマーケットができ、マイカーが増えて庶民の休日の過ごし方が変わり……。人が押し寄せていた商店街にも、変化の波は確実に訪れていた。

 

IMG_5388~新 ねっとわーく小樽

№20 2016 3月 通巻418号

発行/どうしん小樽販売所会(三日会)より

 

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