手宮発達の懐古

2016年06月22日

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刊行の辞

 本書は、去る大正十四年、河野、橋本、五十嵐、諸氏の創設にかかり、小樽史談会と、稱し、講演会を主として、郷土研究の諸方面に活躍してゐましたが、其後、河野氏、當地を去り、橋本氏亦、札幌に奉職せらるる樣になつてから、數年間、休止の狀態となりました。

 昭和八年有志の間に、復活の話が纒まり、前会の事業を継承すると共に、名称を現在の如く改め、爾來微力を致して居ります。

 本会事業の一つとして、講演の収録を、刊行頒布する計劃がありましたが、いろいろの都合上、實施出来ず、徒に原稿を蓄積して置くのは遺憾のことでした。

 本年九月、山谷敏行氏に乞うて、手宮の史的方面の公園を煩はしました處、手宮校長は「校下の事蹟であるから、刊行の斡旋をしても宜しい」と、言はれたので、直ちにこれを委託しました。-茲に、本書頒布に當り、山谷氏、及び手宮校各位の好意と、本会創立諸氏の勞を深く感謝する次第であります。

      昭和十年十月三十日

                小樽市郷土研究会

 

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手宮方面の四十余年来の歴話

             元市會議員 山谷敏行氏談

 本日、-「手宮方面四十余年来、私の知り得る丈のことを噺しせよ」との、ことは、私の最も光榮とする處でありますが、仰せに從ひまして、見聞の儘、御噺しさせて戴きます。其の前に、當時の「小樽の狀態」を一寸申上げて、置きたう存じます。

小樽懐古

① 四十年前の戸數

私が、明治二十九年、今より四十年前に……

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『手宮発達の懐古は講演会の為に、まとめた文章だったようです。』