ニシン漁家列伝 小樽関係抜粋 忍路場所③

2017年09月04日

本間 栄太郎 忍路郡蘭島町

 栄太郎は明治二〇年二月一一日忍路に生まれ、蘭島で育つ。二二才のときから忍路の鰊漁場に歩方の一人として参加。三〇才のとき独立して歩方網の親方となる。その後昭和三六年まで、直営を避け、一貫して、歩方経営を続け、最後の鰊捕りといわれている。

 三千本(約一二〇石)の身欠鰊を製造して近在の記録を作っている(昭和八年)。又鰊の来遊が杜絶すると、五反歩の畑に葡萄の苗を植え一人で管理栽培を始めた。時に八二才という。九二才までも日々葡萄園の手入れにいそしんでいたと伝えられている。

(出典:鰊場物語)