実態調査(1992年)から その24~色内通りを飾る店舗と事務所建築②

2021年06月10日

 2.街並みと石造建築

 ②色内通りを飾る店舗と事務所建築

 その後も銀行建築などではモルタル擬石による石造風の正面デザインが好んで用いられ、新たな彩りを街並みに加えていった。ただし、

旧北海道拓殖銀行小樽支店(現(株)オグラ小樽支店、明治39年)や

旧第一銀行小樽支店(現共同組合紳装、大正13年)(※12)のように、構造体を煉瓦造やRC造としながらも、外壁にあえて小樽軟石を張り付けた例があったことにも注目しておきたい。

 それでは、石造の店舗や事務所で彩られた色内通りの街並みを、色内3丁目から順に南下しながら見て行こう(図3-2-6)。北端には

重要文化財旧日本郵船小樽支店

~令和5年6月まで

が構え、

色内川

を越えた2丁目には

(株)マルコシ小樽支店(旧小林藤吉郎小樽支店)、

(有)川又商店(小樽歴建)、

清水鋼機(株)

東海林電材(旧伊藤薬舗)と続く。

1丁目に入ると、

インデラ、

アリババコレクション(旧梅屋商店)

緑山手通り

を越えて、

ナトリ(株)小樽支店(小樽歴建)

があり、ここまでが色内に見られる石造の店舗および事務所である。

 オコバチ川を越えて

堺町には、

(有)千秋庵(旧百十三銀行小樽支店、小樽歴建)

Casual Restaurant楽(旧金子元三郎商店)、

岩永時計店(小樽歴建)、

北海道林屋製茶(旧百十三国立銀行小樽支店、小樽歴建)、

美宣(旧北海雑穀(株)営業所)

などが軒を連ねる。更に足を伸ばすと、

白石工業(株)小樽営業所(旧広海二三郎商店)、

小樽からくり動物えん(旧板谷吉次郎商店)

がある。

※12~かつては街路に面して大オーダーを張り付けていたが、現在はすべて取り払われ、モルタル塗となっている

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